産業廃棄物が処理されるまでには、基本的に、保管、収集運搬、処分という流れで処理されます。
ただし産業廃棄物は、廃棄物の種類によって中間処理が必要な廃棄物があります。ここでは産業廃棄物が処理されるまでの流れについて説明しています。
基本的に産業廃棄物は、保管、収集運搬、処分という流れで処理が行われています。産業廃棄物の排出企業は、この流れに沿って自ら処理を行います。
しかし、自ら処理を行うことができない場合には、廃棄物処理業者へ委託して処理を行わなければなりません。
また自ら処理を行う、業者へ委託して処理を行う場合であっても、生活環境保全に支障が出ないように責任をもって処理することが義務化されています。
産業廃棄物は種類によって、中間処理が行われます。中間処理は主に、焼却や脱水、中和といった処置がされます。
さらに処理が行われ埋め立てしますが、それでも環境への負担は大きいことから、再生利用が可能なモノに関しては、再生資源化をして再利用するように廃棄物処理法で定められています。
産業廃棄物は、紙くず、木くず、廃ブラスチック類、ガラス、・コンクリート・陶磁器くず、廃油、といった品目によって処理方法が異なります。
ここからは産業廃棄物の項目別の処理方法について説明していきます。
産業廃棄部の紙くずとは、PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含んだもので、建設業やパルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞といった特定業種から排出される紙くずに限られます。
基本的に古紙は、製紙原料としてリサイクルされますが、製紙再資源として利用ができない紙くず(感熱紙など)は、RFP(固形燃料)としてリサイクル処理されます。
そのほかに建設工事で排出された壁紙や著しい汚れが付いているなどの紙くずは、焼却処理や埋め立て処理が行われます。
産業廃棄物の木くずとは、建設現場で排出されるもの、木材や家具製造から排出されるもの、事業活動で生じたPCBを含んだものなどがあります。
基本的に産業廃棄物の木くずは、ガーデニングやドックラン、製糸材料、バイオマス燃料などで使用されるチップ化や燃料化、肥料化などのリサイクルや、焼却や埋め立て処分されます。
産業廃棄物の廃プラスチックとは、合成樹脂くずや、合成ゴムくず、合成繊維くず、接着剤のかす、廃タイヤの合成ゴムなど事業活動などで排出される固形・液体状のモノです。
廃プラスチックは主に、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3つの種類にリサイクル(フレーク状、ペレット状)されプラスチック製品の原料とします。
そのほかに科学的に分解し、ガスや燃料としてリサイクルされます。
産業廃棄物のガラス、・コンクリート・陶磁器くずは、耐火レンガくず、陶磁器くず、セメント製造くず、です。
ただ新築や改築、除去工事の建設現場で排出されるコンクリート片や、窓ガラスくずなどは、がれき類に分類されます。
ガラスくずの処理方法としては、破砕処理され、ガラス原料として再利用されます。
そのほかの耐火レンガ、陶磁器、セメント製造くずも破砕処理が行われ、がれき類と一緒に路面材や再生鉄骨や、舗装材として再利用されます。
産業廃棄物の廃油には、潤滑油、絶縁湯、洗浄用油、切削油、廃溶剤、タールピッチです。
また廃油には、引火点が70℃未満で燃焼する廃油については、特別産業廃棄物に指定されています。
廃油は、燃料として再利用する方法と、ほかの原料に再生する方法の2種類あります。
廃油のほとんどは、燃料は再生重油として製品化されます。また塩素系金属加工油や水が含まれた廃油はリサイクルができないため、分離処理を行い焼却されます。
特別産業廃棄物には、特別管理一般廃棄物と特別管理廃棄物の2つの種類があります。爆発性や毒性、感染性のある廃棄物、人々の健康や、生活環境に影響を及ぼすおそれを有する廃棄物が特別管理廃棄物に指定されています。
特別管理廃棄物の品目としては、揮発油類・灯油類・軽油類の廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、PCB汚染物、廃水銀、指定汚泥、鉱さい、廃石綿など、燃え殻、がいじん、です。
これらの品目は産業廃棄物の重複しているものがありますが、特別な危険物質を含んでいるモノや、PCBなどの濃度が高いモノが特別管理廃棄物に指定されています。
また特別管理一般廃棄物と特別産業廃棄物の処理業者の収集運搬及び処理を行える業者は異なります。
ここまで産業廃棄物の種類・品目ごとの処理方法や流れについて紹介してきました。
産業廃棄物は、事業活動を行っている限り、かならず排出されます。産業廃棄物を適正に処理をすることで、生態系の破壊や、土壌汚染、水質汚染などの予防となります。
産業廃棄物の種類や品目ごとで、どのよう処理されるか、再利用されているかを知ることで、生活環境保全や循環型社会の構築の推進に繋がっていきます。